フリーランス・個人事業主で確定申告が必要な人とするメリット|必要書類や流れを解説

更新日:/公開日:2022年12月10日

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確定申告

この記事の企画・編集者
溝口ひろき
つなぐマーケティング代表

会社員だった人がフリーランスへと転向すると、働き方や仕事の組み立て、個人事業主としての経営感覚など、さまざまな面で変化が生じますが、最も大きな変化となるのは「確定申告」でしょう。

確定申告という言葉は聞いたことがあっても、実際にどんなことをするのか、何を揃えなければいけないのか、そもそも自分が対象に含まれるのか、よくわからないままという方も少なくないはずです。

この記事では、フリーランス・個人事業主で確定申告が必要な人や確定申告をするメリットを解説していきます。

この記事の監修者

溝口 ひろき

溝口 ひろき

フリーランスガイド責任者

1983年生まれ。電気工事士からWeb業界に転職して15年以上。現在はフリーランスでWebマーケターをしており、クライアントサイトのマーケティング代行や自社メディアの運用等をおこなっています。
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確定申告とは?フリーランスで確定申告をする必要がある人

確定申告とは、一年間の収入・経費・各種控除を総計して「所得」を算出したうえで、納めるべき税額を税務署に申告する制度です。

確定申告によって税額が決まるのは所得税ですが、同時に住民税の申告も済ませたことになります。

つまり、確定申告をしていれば、別途で住民税の申告をする必要はありません。

会社員であれば、給与や賞与から「源泉徴収」によって所得税が差し引かれたうえで、扶養家族の人数や保険料などの控除を報告する「年末調整」で正規の税額が決まります。

この作業は、報告のための資料作成や証拠を添付して会計担当者に提出するだけの簡単なものです。

フリーランス・個人事業主の場合は、これらの作業に加えて、税務署への申告やその後の納税まで、すべて自分自身でしなければいけません。

年間48万円を超える事業所得がある個人事業主

フリーランス・個人事業主の所得税には48万円の基礎控除があります。

基礎控除とは、すべての納税者を対象に所得から差し引くもので、簡単にいえば「48万円分の利益には税金がかからない」という意味です。

収入から経費を差し引いて所得額を算出したうえで、さらに必ず基礎控除として48万円を差し引くので、年間48万円を超える所得=利益があった個人事業主は確定申告の対象となります。

なお、基礎控除額は2019年分の確定申告までは一律38万円でしたが、2020年分からは所得額に応じて変動するかたちに変更されました。

所得額が2,400万円以下なら基礎控除額は48万円で、2,400万円を超えると段階的に32万円・16万円・0円と控除額が少なくなります。

年間20万円を超える副業収入がある会社員

会社員として働きながら、プログラミングやWebデザイン、コピーライティングなどの副業でも収入を得ている兼業状態でも、副業の収入が年間合計20万円を超えると確定申告が必要になります。

また、副業収入が年間20万円以下でも、本業の会社側で年末調整をしていない場合は、やはり確定申告が必要です。

給与所得が年間103万円を超える専業主婦(主夫)

専業主婦・専業主夫でも、アルバイトやパートの給与所得が年間103万円を超えており、勤め先で年末調整がおこなわれない場合は確定申告が必要です。

いわゆる「103万円の壁」と呼ばれるもので、給与所得控除55万円+基礎控除48万円=103万円を超えると所得税の課税対象になるうえに、配偶者の扶養から除かれます。

アルバイト・パート先で年末調整がおこなわれている場合は確定申告が不要です。

ただし、年末調整によって処理できる給与の支払先は一社だけなので、複数のアルバイト・パートをかけもちしており、所得の合計が103万円を超える場合は、確定申告しなければなりません。

フリーランスでも確定申告が不要な人

フリーランス・個人事業主は、売上や報酬から経費を差し引いたときに利益があれば原則として確定申告が必要です。

「利益がない」という状態であれば、確定申告をする必要はありません。

フリーランス・個人事業主の働き方に照らすと、次の条件に合致する人なら確定申告は不要だと考えておきましょう。

  • 事業所得が年間48万円以下の個人事業主
  • 副業収入が年間20万円以下の会社員
  • 給与所得が年間103万円以下の専業主婦(主夫)

ただし、これらに該当する人でも、医療費控除や住宅ローン控除などの制度を利用して「還付」を受けたい場合は確定申告が必要です。

フリーランスで確定申告が不要でもしたほうがいいケース

確定申告が必要な条件に合致しなかったとしても、フリーランス・個人事業主なら「確定申告をしたほうがいい」というケースがあります。

広告費や外注費などで赤字になってしまった場合

売上や報酬から広告費・外注費などの経費を差し引くと0円以下、つまり赤字になった場合は、所得=利益がないので確定申告は不要です。

ただし、青色申告のフリーランス・個人事業主の場合は、当年の赤字を最長3年にわたって繰り越せる「純損失の繰越控除」が受けられるので、赤字でも確定申告をしたほうがいいでしょう。

また、赤字状態であれば、クライアント側で源泉徴収された所得税の還付が受けられるうえに、住民税の申告も兼ねるので住民税額が大幅に減額されます。

ただし、この制度を利用できるのは青色申告のフリーランス・個人事業主に限られるため、白色申告の場合は繰越控除が認められません。

また、対象となる所得は事業所得・不動産所得・山林所得によって生じたものに限定されるという点は覚えておいたほうがいいでしょう。

仕事をもらっている企業から源泉徴収されている場合

確定申告の必要がないほどに所得が低くても、クライアント側で源泉徴収を受けている場合は確定申告をすることで納め過ぎた所得税が還付されます。

そもそも源泉徴収は、収入額に応じた税率を適用して「とりあえずざっくり」とした税額を差し引いているに過ぎません。

各種の控除は考慮されていないので、配偶者や親族を扶養している場合や、住宅ローン控除の対象期間に含まれている場合は、正しい税額を算出すればほぼ確実に還付が生じます。

たとえ所得税を支払い過ぎていたとしても、確定申告をしなければ還付は受けられません。

確定申告によって自ら「納め過ぎた分を返して」と申告する必要があります。

フリーランスが確定申告をするメリット

これまでは会社員として働いた経験しかない方にとって、確定申告は「面倒」「難しい」といったイメージがつきまとうものです。

たしかに、確定申告は面倒で難しい面もありますが、それに見合うだけのメリットもあることを覚えておきましょう。

払い過ぎた税金が戻ってくる可能性がある

クライアント側で源泉徴収を受けている場合は、収入額に応じた税率を適用した税額が徴収されています。

個人事業主の源泉徴収税率は、100万円以下なら10.21%、100万円を超える部分は20.42%です。

たとえば、500,000円の請求に対する源泉徴収額は500,000円×10.21%=51,050円となり、実際には500,000円-51,050円=448,950円が支払われることになります。

ただし、この税額は必要経費や各種の控除を無視した大雑把なものです。

500,000円なら500,000円のすべてが利益になるはずもないので、必要経費や各種控除を差し引けば必ず所得額は下がり、所得税額も下がります。

確定申告は、源泉徴収されることで支払い過ぎた税金を「本来の所得税はこの金額なので返してほしい」と申告する機会なのです。

収入証明書類を発行してもらえる

確定申告をすると、住居地の役所が発行する所得証明書や課税・非課税証明書の発行が可能になります。

また、確定申告書を税務署に持ち込んで受領された際に交付される収受日付印つきの控えも、収入額を証明する書類のひとつとして有効です。

収入証明書類は、日常生活のさまざまな場面で提出を求められます。

銀行などのローン審査、子どもの保育園への入園や公営住宅の入居申し込みなどでは必須なので、公的な収入証明を得るためにも確定申告は欠かせません。

フリーランスが確定申告をするときに必要な書類

初めて確定申告をするという方だと「必要書類をそろえるのが面倒」というイメージがあるかもしれませんが、実際にやってみるとあまり難しい点もないので、さほど苦労することはないでしょう。

フリーランスが確定申告をする際の必要書類を確認していきます。

確定申告書

確定申告書は税務署や役所で配布されていますが、わざわざ取りにいかなくても国税庁のサイトからダウンロードできます。

様式には「A様式」と「B様式」があるので、どちらに該当するのかを間違えないようにしましょう。

該当部分に金額を記入していくだけですが、不慣れなうちはどこに何の金額を記入するのかわかりにくく感じるかもしれません。

書類作成が苦手な人は、電子申告の利用がおすすめです。

電子申告なら、ステップ別に数字を入力していくだけで自動的に確定申告書が完成します。

A様式|会社員で副業をされている方

A様式は、おもに会社員やパートタイマーの人、年金受給者で医療費控除を受けたい人が使用する様式です。

会社員として働きながら副業でも収入を得ているという方なら、こちらの様式を使用します。

B様式|個人事業主の方

専業フリーランス・個人事業主の人が使用するのはB様式です。

仕様に大きな差はありませんが、A様式と比べると収入・所得・控除といった点で給与所得者とは異なる項目が設けられているという違いがあります。

収支内訳書(白色申告の場合のみ)

確定申告の種類が「白色」の場合は、確定申告書B様式の添付書類として収支内訳書が必要です。

売上や報酬といった収入から、経費などの支出を差し引いて所得を算出する根拠となるもので「帳簿の内容を報告するもの」だと考えればわかりやすいかもしれません。

収支内訳書にも種類がありますが、事業所得が中心のフリーランス・個人事業主は「一般用」を使います。

青色申告決算書(青色申告の場合のみ)

申告の種類が「青色」の場合は、青色申告決算書を提出します。

白色申告の収支内訳書と同じで帳簿の内容を報告する書類ですが、損益計算書と貸借対照表の内容を転記するという点で白色申告よりも詳しい報告が求められます。

事業所得を得ているフリーランスが使用するのは青色申告決算書の「一般用」です。

控除に関する証明書類

社会保険料や生命保険料、地震保険料、ふるさと納税などの寄附金を支払った場合は、収入から控除できます。

各種の控除を利用する際は、それぞれの証明書類を添付して提出、または申告時に提示しなければなりません。

保険料や寄附金を支払うと、その年の10~12月あたりで証明書が郵送されてくるので、必ず保管しておきましょう。

なお、電子申告の場合はこれらの提出が省略されます。

ただし、提出を省略したらその年の確定申告の期限日から5年にわたって原本を保管しなければなりません。

その他必要なもの

確定申告書や収支・決算の関係書類に加えて、次の書類も必要です。

  • 本人確認書類
  • 金融機関の口座情報

税務署の窓口で直接申告する場合は、本人確認書類として運転免許証などのほか、マイナンバーを確認するためのマイナンバーカード・マイナンバー通知カード・住民票を提示します。

郵送の場合は台紙に貼付して提出しましょう。

電子申告の場合は、マイナンバーカードをカードリーダーで読み込むので確認作業は不要です。

また、支払い過ぎた所得税の還付を受ける場合は金融機関の口座情報も報告する必要があります。

フリーランスが確定申告をする際の5つのステップ

初めての確定申告を迎えるフリーランス・個人事業主の方だと「まずなにをすればいい?」「どんな流れになる?」といった不安もあるでしょう。

ここでは、フリーランスの確定申告の流れを5つのステップに分けて解説します。

1.前年の収入と支出をエクセルなどでまとめる

まず、前年の収入と支出を、エクセルなどの表計算ソフトを使ってまとめます。

クライアントから支払われた売上や報酬のほか、不動産売却によって得た利益、国や自治体から給付された補助金や助成金のうち事業所得に含まれるものは、すべて収入として計上します。

支出となるのは、事業に関連する必要経費です。

商品の仕入れ代金や宣伝・広告にかかった費用、人件費、事務所の家賃や光熱費、事務用品の購入費、取引先との会合や接待にかかった飲食代、出張の旅費や交通費などをまとめる作業になるので、一年分を一気にまとめるのは大変かもしれません。

収入・支出が生じる度に記録するのが理想ですが、できれば月単位でも事前にまとめておくことをおすすめすます。

2.控除に関する資料を集める

フリーランスが利用できる控除は15種類です。

控除は、いわば収入を差し引いて節税を実現するための割引クーポンのようなものなので、どんな控除をいくら利用できるのかを確認する必要があります。

税務署の窓口で申告する場合は原本の添付を求められるものもあるので、控除に関する証明書や明細書などは漏れなく保管しておきましょう。

3.確定申告に必要な書類を作成する

各種の金額が出揃ったら確定申告書や収支内訳書・青色申告決算書などの必要書類を作成します。

申告書などの作成方法は4つです。

  • 税務署や役所で様式を受け取って手書きで作成する
  • 市販の確定申告ソフトを使用して作成する
  • 国税庁の「e-Tax」を利用して作成する
  • 税理士に作成を依頼する

このステップが大変そうに感じるかもしれませんが、市販の確定申告ソフトのなかにはスマホひとつで金額の入力・データ読み込み・銀行口座やクレジットカードと連携して仕訳けといった作業ができるものもあります。

どうしても難しく感じるなら、税理士にすべての資料を渡して作成を代行してもらうことも可能です。

あまり難しく考えず、自分にとって負担の少ない方法を選択するとよいでしょう。

4.税務署に確定申告書とその他書類を提出する(2月16日~3月15日)

確定申告の受付は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。

全国各地の税務署を会場として確定申告を受け付けており、確定申告書が完成しているなら期間中は開庁時間ならいつでも提出できます。

ただし、作成の相談を兼ねて会場を訪ねる場合は入場できる時間枠が指定された整理券が必要なので、いきなり訪ねてもすぐには対応してもらえません。

確定申告書が問題なく受理されれば、収受日付印が押された確定申告書の控えが交付されます。

押印済みの確定申告書の控えは収入証明としての効力をもつので、大事に保管しておきましょう。

なお、現在は80%を超える人が税務署への来庁を避けてe-Taxによる電子申告、郵送による申告を選んでいます。

提出だけなら夜間でも税務署の時間外収受箱に投函できるので、都合のよい方法で期限内の申告を心がけましょう。

5.税金を納付する・還付される

確定申告の結果、所得税の納付が必要になる場合は、期限内に納付します。

現金納付の期日は申告期限の3月15日です。

現金納付のほかにも、ペイジー対応のATM払い、コンビニ払い、預貯金口座からのダイレクト納付、口座振替など、さまざまな方法が用意されているので、都合のよい方法を選びましょう。

なお、納付期限が最も遅いのは、事前に届出をした口座から自動で引き落とされる口座振替による納税です。

4月下旬ころの引き落としで現金納付と比べると1か月以上も余裕があるので、すぐに納付できない場合は口座振替を指定したほうがいいかもしれません。

売上や報酬から源泉徴収を受けており、経費や各種控除を差し引くと正しい税額が源泉徴収額よりも小さい場合は、指定口座に差額が還付されます。

通常、還付金が振り込まれるのは申告から1~2か月後ですが、電子申告の場合は2~3週間を目安に還付されるので、できるだけ早く還付金を受け取りたいなら電子申告がおすすめです。

フリーランスが確定申告をしなかった場合のペナルティと対処法

すべての国民には納税の義務があります。

フリーランス・個人事業主の人は、会社員のように誰かが取りまとめてくれるわけではないので、確定申告によって正しい税額を申告しなければなりません。

もし確定申告をしなかったり、期限に遅れてしまったりすると、ペナルティを科せられてしまうことがあります。

確定申告しなかった場合

一定の所得があり申告の義務があるのに確定申告をしなかった場合は「無申告」にあたります。

無申告が発覚すると、本来納めるべき税額に加えて「無申告加算税」が上乗せされた税額を納めなければなりません。

無申告加算税の税率は次のとおりです。

  • 無申告と判断されると、本来納めるべき税額の50万円までの部分は15%、50万円超の部分は20%
  • 税務署から調査の通知を受ける前なら5%
  • 税務署から調査の通知を受けたあとなら、50万円までの部分は10%、50万円超の部分は15%

さらに、故意に申告しなかった場合は「重加算税」が課税されます。

無申告による重加算税の税率は40%なので、大きな痛手となってしまう事態は免れられません。

確定申告が遅れてしまった場合

確定申告は期日までに終えるのが原則です。

申告期限の日に遅れてしまうと、本来納めるべき税額に対して年率7.3~14.6%の「延滞税」が加算されます。

ただし、期日から1か月以内に自主的に申告し、納付期限までに全額納付しており、過去5年間に無申告加算税や重加算税を課税されたことがなければ、延滞税の課税は免除されます。

また、災害などのやむを得ない事情で期日に遅れてしまった場合は、税務署への申立てによって2か月を限度に延長が可能です。

確定申告の内容に間違いがあった場合

確定申告の内容を間違えてしまい、誤って税金を多く納めたり、還付が少なかったりした場合は「更生の請求」が可能です。

本来の申告期限から5年以内なら減額更生によって正しい税額・還付へと修正できます。

反対に、誤って本来納めるべき税額よりも少ない税額で申告したり、多くの還付を受けてしまったりした場合は「修正申告」が必要です。

修正申告をしないままにしておき、税務署の調査を受けたり、税務署から税額の更生を受けたりすると5~10%の「過少申告加算税」が課税されてしまいます。

税務署の調査を受けるまでに自主的に修正申告をすれば過少申告加算税は課税されないので、間違いに気づいたら直ちに修正申告しましょう。

刑事罰が科されてしまう場合

確定申告をしないことは、つまり「脱税」につながる犯罪行為です。

所得税法や法人税法には確定申告をしない行為について、罰則を定めています。

正当な理由なく確定申告書を提出しなかった場合は「単純無申告犯」となり、1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

故意に確定申告せず納税を免れると「単純無申告ほ脱犯」として5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方が科せられます。

刑事罰が科せられるのは極めて悪質なケースに限られますが、前科がついてしまうこともあるという点は心得ておいたほうがよいでしょう。

フリーランスが最低限知っておくべき節税のコツ

事業を起こして利益を得る限り、確定申告を経て税金を納付する義務は必ず生じます。

手元に残るお金を少しでも増やすためにフリーランスの人が最低限しっておくべき節税のコツをお伝えしましょう。

青色申告をすると最大65万円が控除される

確定申告の方法には白色と青色の2種類がありますが、節税効果が高いのは「青色申告」です。

税務署への届出や詳しい帳簿の作成といった手間がかかるものの、青色申告を選択するだけでも青色申告特別控除によって最大で65万円の控除を受けられます。

簡単にいえば「65万円分の利益をなかったことにできる」ので、高い節税効果が期待できるでしょう。

なお、65万円の最大額の控除を受けるためには、e-Taxによる電子申告が必須です。

市販の確定申告ソフトのなかにはe-Taxに連動してデータを移行できるものもあるので、日ごろの帳簿記録の負担を軽減する意味でもさまざまなツールを上手に活用するよう心がけましょう。

経費にできるものは全て計上する

フリーランスの人が節税を考えるうえで最も注意を払うべきは「経費」です。

売上・報酬を得るためにかかった経費を漏れなく計上することで、利益=所得は小さくなり、それにかかる税額も小さくなります。

経費に計上できる支出としてイメージしやすいのは、商品の仕入れ代金や事務所の家賃・光熱費、宣伝・広告費、人件費、外注費などでしょう。

これらを漏れなく計上するのは当然ですが、ほかの支出にもしっかり目を向ければ経費として計上できるものがあるかもしれません。

たとえば自宅マンションの一室を仕事場として使用している場合の家賃や仕事でも兼用している携帯電話の料金は「家事按分」によって一部を経費に組み込むことが可能です。

日ごろ何気なく使っている消耗品も、仕事用とプライベート用をしっかり区別すれば経費に計上できるものがあるでしょう。

すべての支出から経費として計上できるものがないかを見直し、漏れなく計上する心がけが大切です。

控除制度を理解しておく

経費計上と同じく節税効果を高めるのが「控除」です。

利用できる控除制度が多ければ多いほど、所得額が小さくなり、税額も低くなります。

配偶者がいる場合は配偶者控除・配偶者特別控除、扶養家族がいれば扶養控除、医療費の支払いがあれば医療費控除などさまざまな種類があるので、自分がどの控除を利用できるのかを正確に把握しなければなりません。

少し難しく感じる面も多いのが控除制度ですが、漏れなく活用すれば手元に残るお金が確実に増やすことができます。

自分がどの控除制度を利用できるのかを知りたい場合は、込み合うタイミングを避けて早めに税務署へ問い合わせて確認するか、税理士に相談するとよいでしょう。

最後に

フリーランス・個人事業主の人は、一年間の所得をまとめて税務署に「確定申告」しなければいけません。

会社員からフリーランスに転向し初めての確定申告を迎える方にとっては「難しい」「面倒」というイメージが先行しがちですが、日ごろから帳簿を管理していれば、さほど難しいものでもないのでご安心ください。

むしろ、フリーランスの方にとっての確定申告は、丁寧に準備することで節税が期待できたり、クライアント側で源泉徴収されて納め過ぎた税金の還付が受けたられたり、公的な収入証明を得られたりするチャンスだといえます。

期限直前になって慌てることがないように、時間に余裕をもって準備を進めておきましょう。