フリーランスになったら領収書は必要?正しい書き方や発行方法、管理方法を解説

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更新日:/公開日:2023年04月12日

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領収書

溝口弘貴
この記事の企画・編集者
溝口弘貴
つなぐマーケティング代表

※このページには【PR】が含まれています。

フリーランスがお金のやり取りをした証明となるのが「領収書」です。

日常生活でもたびたび登場するものなので、お金のやり取りが発生した都度、支払先から受け取ったり請求先へと発行したりという基本さえ理解していれば、とくに難しく考える必要はないように感じるかもしれません。

しかし、実際に領収書のやり取りをし始めると「レシートではダメなの?」「報酬に対して領収書が必要?」など、疑問に思うことも多いでしょう。

フリーランスと領収書の関係、発行された領収書のチェックポイント、発行時の注意点、適切な保存方法などを解説します。

今すぐ領収書の書き方のポイントをみる(ページ下部へ移動)

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この記事の監修者

溝口弘貴

溝口弘貴

フリーランスガイド責任者

電気工事士からWeb業界に転職して10数年。現在はフリーランスとしてクライアントサイトのマーケティング支援や自社メディアの運用などをおこなっています。ネットマーケティング検定やIMA検定などIT関連の資格を8つもっています。運営者情報はこちら

フリーランスにとって「領収書」は必要なのか?領収書が必要な3つの理由

フリーランスは個人事業主という立場です。

個人単位とはいえ「事業主」なので、取引において自分がお金を支払ったときは領収書をもらう側、自分がお金の支払いを受けたときは領収書を発行する側になります。

しかし、領収書をもらい忘れたり、あるいは領収書を発行するのが面倒に感じたりすることもあるでしょう。

お金が絡む取引には必ず領収書が必要なのでしょうか?

  1. 誰にいくら支払ったのかの証明になるから
  2. 法律上の保存義務があるから
  3. 求められれば発行する義務があるから

領収書が必要な理由①:誰にいくら支払ったのかの証明になるから

領収書は「いつ、誰に、なぜ、いくらのお金を支払ったのか」を証明する書面です。

フリーランスにとっては、事業にかかった「経費」を証明するために重要な証拠であり、経費を計算する基礎となります。

経費として計上したい支出は、すべて領収書の交付を受けるのが基本です。

フリーランスが経費にできるもの・できないものついて詳しくみる

領収書が必要な理由②:法律上の保存義務があるから

交付を受けた領収書のうち、経費として計上したものは一定期間にわたって保存しておかなくてはなりません。

これは各種の税法において定められている義務です。

「税額を決めるための証拠」として領収書の保管が求められると考えてください。

なお、保存の義務はありますが、確定申告の際に提出する義務はありません。

税額を算出した根拠として証拠を残しておくだけで大丈夫です。

領収書が必要な理由③:求められれば発行する義務があるから

お金の支払いを受けたからといって、必ず領収書を発行しなければならないわけではありません。

「領収書を発行しない」という選択をするのも自由です。

ただし、民法第486条には「お金を支払った側は、支払いの引き換えとして受取証書の交付を請求できる」という趣旨の規定があります。

(受取証書の交付請求等)
第四百八十六条 弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

お金の支払いを受けた以上、相手から求められたら支払いと引き換えに領収書を発行する義務があるというのが法律の定めです。

お互いの合意があれば発行義務はない

領収書は、お互いの合意があれば発行しなくても問題はありません。

たとえば、銀行口座への振込で支払いをする場合は、振込明細や口座明細の記録で代えるといった方法も可能です。

領収書をもらったときに見るべき6つのポイント

フリーランスにとって領収書は「業務に必要な経費を支払った」という大切な証拠になります。

証拠としての価値を確保するためにも、支払先から領収書をもらったときはこれから挙げるポイントに注目してチェックしましょう。

  • 表題が「領収書」と記載されているか
  • 日付に間違いはないか
  • 宛名が正しく記載されているか
  • 但し書きは記載されているか
  • 発行者の住所・名称は正しく記載されているか
  • 収入印紙は貼ってあるか

表題が「領収書」と記載されているか

領収書として相手から交付されたものの、よく見ると表題が領収書になっていない、領収書(控)になっているといったケースもあります。

相手にミスがないかチェックする意味でも、念のために確認しておきましょう。

日付に間違いはないか

領収書の日付は支払日と一致している必要があります。

日付に間違いがあるとお金を支出した日とズレるため、経理上の問題が生じると覚えておいてください。

宛名が正しく記載されているか

宛名が空欄になっている、「上様」など正しく記載されていない、名称に誤りがあるなどの点をチェックしましょう。

宛名が正しくないからといって領収書がただちに無効となるわけではありませんが、正しくない場合は訂正を求めたほうが賢明です。

但し書きは記載されているか

但し書きは、どんな名目でお金を支払ったのかを明らかにする部分です。

詳しい記載を避けて「品代」「お品代」とだけ記載する慣習もありますが、どんな支出なのかが明らかにならないと経費として認められないこともあるので、できるだけ詳細な商品名などの記載を求めましょう。

複数の商品を購入した場合は、一番高価なもの一点だけを記載したうえで「ほか〇点」と記載してもらってください。

発行者の住所・名称は正しく記載されているか

誰が領収書を発行したのかを明らかにする部分なので、正しく記載されているかをしっかり確認してください。

この部分が明らかになっていないと、領収書としての効力はありません。

手書きではなく、すでに発行者の住所・氏名が印字されたものや、住所・会社名のハンコの押印でも有効です。

収入印紙は貼ってあるか

消費税込み5万円以上の取引では「収入印紙」の貼り付けが必要です。

貼付漏れがあった場合は発行者に貼り付けをお願いしましょう。

また、収入印紙には「消印」も必要です。

発行者側で、次のように正しく消印をしなければなりません。

消印の例

引用元:消印とは|ハンコヤドットコム

正しく消印がされていない場合は、発行者に正しい消印を求めておきましょう。

フリーランスが領収書の書き方で気を付けるべき4つのポイント

フリーランスにとって領収書がとても重要なものであるのと同じように、領収書を受け取った人はそれぞれお金を支払った証明として大切に扱います。

領収書を発行する側には発行者としての責任があることを忘れてはいけません。

安易に考えず丁寧に作成し、正しい書き方になっているかをチェックしたうえで相手に渡すように心がけたいものです。

領収書を発行する側がチェックすべき基本的な項目はもらったときと同じですが、とくに発行する側になったときに気を付けたいポイントを挙げていきましょう。

  • 宛名は失礼のない書き方になっているか
  • 領収金額を改ざんできないように記載しているか
  • 但し書きは依頼された業務内容と一致しているか
  • 発行者の住所・名前は正確に記載されているか

宛名は失礼のない書き方になっているか

相手の会社名を「(株)」と省略している、前株・後株を間違えている、社名を略称で記載しているといった書き方の領収書は失礼にあたります。

当然のビジネスマナーとして、必ず正しい会社名を記載しましょう。

領収金額を改ざんできないように記載しているか

領収金額を記載する際は、改ざん防止措置として、金額の前に「金」「¥」をつけたり、金額の後ろに「―」「也」「※」をつけたりするのがルールです。

数字と数字の間に差し込まれないように、3桁ごとに「,」で区切っておきましょう。

【記載例】

  1. 金100,000円也
  2. ¥200,000円※

但し書きは依頼された業務内容と一致しているか

但し書きの欄には、クライアントの間で交わした契約に沿った業務内容を記載するといいでしょう。

たとえば、ライターなら「但し、〇〇の執筆料として」などと記載します。

本来、但し書きは発行側が事実に沿って記載する部分ですが、勝手に考えて記載するとクライアント側で経理処理の問題が生じるかもしれないので「但し書きは『〇〇として』で問題ありませんか?」と尋ねておくほうがベターです。

発行者の住所・名前は正確に記載されているか

発行者の責任として、住所・名前は正確に記載しましょう。

印字・ゴム印などでも可能ですが、相手が税務調査などでねつ造を疑われないために、住所・名前と併せて代表者印や会社の角印を押印しておいたほうが親切です。

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領収書の保存方法はどうすればいい?領収書のスマートな保存方法

受領した領収書のうち、経費として計上したものは法律の定めに従って保存する義務があります。

税務署の調査を受けた際に保管していないことが発覚すると過去にさかのぼって追徴されてしまうので、適切に保存しなければなりません。

とはいえ、1年間で受領した領収書をまとめると膨大な量になります。

これを法律が定める期間にわたって保存し続けるのは大変です。

ここでは、領収書のスマートな保存方法を紹介しましょう。

領収書の保存期限は確定申告の方法で異なる

領収書の保存期限は、青色申告の場合で7年、白色申告なら5年です。

白色申告の場合、帳簿と領収書の保存期限が異なる点に注意しましょう。

確定申告の方法 帳簿の保存期限 領収書の保存期限
青色申告 7年 7年
白色申告 7年 5年

領収書の保存期限は、領収書の日付ではなく確定申告の提出期限の翌日を起算点として計算します。

年の途中ではなく、必ずその年の確定申告が終わって提出期限が過ぎてから廃棄してください。

廃棄の際は改めて日付を確認し、誤って廃棄することがないよう注意しましょう。

領収書を紙で保存しておく方法

紙ベースで受領した領収書の保存方法に特段の決まりはありませんが、帳簿と照合しやすいように整理しておくといいでしょう。

年ごとにまとめてファイリングする、台紙に貼り付けるといった方法がスマートです。

くれぐれも袋や箱に突っ込んだまま、といった無造作な保存は避けてください。

照合が必要なときに面倒だし、紛失のリスクもあります。

領収書を電子データで保存しておく方法

領収書が電子データで発行されている場合は、そのファイルを保存しておくだけで問題ありません。

紙の領収書をスキャナでPDFなどの形式に変換して電子データとして保存しておくことも可能です。

スマホアプリやデジタルカメラでの撮影による電子データ化も認められています。

電子データ化した領収書は、年ごとにフォルダを作って保存しておけば検索しやすいでしょう。

電子データとして保存する場合は、改ざんされていないことの証明についても留意しなければなりません。

また、解像度200dpi以上、フルカラー24ビット以上で鮮明に読み取る必要があるので、保存の際に圧縮しないよう気を付けましょう。

自分が発行した領収書の保存方法

紙で領収書を発行した場合は、必ず控えを保存しておきましょう。

控えが残るように複写式の領収書を使用し、不正を疑われないために書き損じなどがあったとしても破り捨てずそのまま保存しておいてください。

電子データで発行した場合も同様で、いつ発行したものか検索しやすいようにフォルダで分けて保存しておきましょう。

領収書に関してよくある8つの疑問を解消

実際に領収書のやり取りをしていると「どうすればいいんだろう?」と迷うことも多いでしょう。

ここでは、フリーランスが領収書を扱うときに発生しやすいよくある疑問を解消していきます。

疑問1:領収書の代わりにレシートでも証明になる?

小売店などでは領収書ではなくレシートしか発行しないところも多数です。

この場合は「領収書」にこだわる必要はありません。

レシートでも、発行者の住所・名前、日付、取引内容、金額が明らかになっていれば領収書に代わる証明となります。

むしろ、購入した商品が詳細に記載されているので、レシートのほうが証明書類として好ましいともいえるでしょう。

ただし、レシートに使用されている感熱紙は光や熱に弱く変質しやすいので、台紙やノートに貼り付けて変質を防ぐようにしてください。

疑問2:もらった領収書に宛名がなかった!無効になる?

領収書の宛名は「誰に宛てて発行されたものなのか」を証明する大切な部分です。

空欄のままだと誰に宛てて発行されたものなのかわかりません。

かといって、宛名がないからと自分で書いてしまえば改ざんにあたるので、発行者に依頼して記載してもらうか、有効な領収書と差し替えてもらってください。

ただし、宛名がないからといってただちに無効になるとも限りません。

小売業・バス、鉄道、航空会社などの旅客運送業・旅行に関する事業・飲食業・駐車場業の事業者が発行する領収書は、宛名の記載が不要です。

また、3万円未満の少額取引でも、宛名の記載は必須ではないとされています。

このように、領収書の宛名が不要になるケースもありますが、税務調査で指摘されると経費として認めてもらえない可能性があるので放置しないほうが無難です。

もらった領収書に宛名の記載がなかった場合は、発行者に相談して対応を求めたほうがいいでしょう。

疑問3:もらった領収書に収入印紙が貼ってなかったら無効?

収入印紙は、領収書や契約書といった経済的な取引に伴って作成した書類に課せられる「印紙税」の支払いを証明するものです。

つまり、収入印紙が貼られていない領収書は「発行者が印紙税の納税を怠った」状態であり、交付を受けた側には何の責任もありません。

収入印紙がないことを理由に領収書が無効になるわけではないので、心配は無用です。

なお、取引金額が5万円未満であれば印紙税は非課税となるので、収入印紙を貼付する必要はありません。

また、発行者が税務署の承認を受けて印紙税を申告納付する場合は「印紙税申告納付につき税務署承認済」と表示することで収入印紙の貼付に代えることも可能です。

疑問4:電子データなら収入印紙は不要ってホント?

印紙税は領収書などの書類に課せられるもので、電子データでやり取りをする場合は「書類」が発生しないため、印紙税を課税されません。

ただし、電子データでやり取りされた領収書をプリントアウトして保存する場合は実際に書類が発生するので、印紙税が課税されます。

領収書保管の省力化と無駄な印紙税の課税を防ぐためにも、電子データで受領した領収書は電子データのままで保存しておいたほうがいいでしょう。

なお、電子取引された領収書はデータ保存の解像度要件の対象外です。

解像度の要件は、紙ベースの領収書を電子データとして取り込む際に求められるものだと覚えておいてください。

疑問5:発行者の代表者印や会社印がない場合は無効?

領収書には、発行者の代表者印や会社印を押印するのが慣例ですが、実は法的に押印の義務はありません。

もちろん、押印がないだけで領収書が無効になることもないので、心配しなくても大丈夫です。

とはいえ、印鑑文化が根強い日本において押印は発行者が「正規に証明している」という証として評価されます。

また、押印がなくても経費計上のうえでは無効になりませんが、税務調査において有効と認められるかどうかは別問題です。

押印がない場合は、領収書の発行者に相談して押印を求めたほうがベターかもしれません。

また、自分が発行者となる場合は、よほど押印できない事情がなければ押印しておいたほうが親切です。

疑問6:取引先が領収書を紛失した!再発行してもいい?

クライアント側で領収書を紛失したといったトラブルが起きるかもしれませんが、原則、再発行には応じなくても構いません。

再発行に応じてしまうと、ひとつの支払いに対して二重に経費を計上するなどの不正につながる可能性があるからです。

とはいえ、大切な取引先からの求めであれば、頑なに拒否するというわけにはいかないシーンのほうが多いでしょう。

再発行に応じる必要はありませんが「再発行してはいけない」という決まりもないので、状況などを詳しく尋ねたうえで柔軟に対応することをおすすめします。

再発行に応じる場合は、二重計上を防ぐため、但し書きに「再発行分」などの記載を加えるなどの措置を講じてください。

疑問7:クレジットカード決済による支払いは領収書を発行しなくてもいい?

フリーランスへの支払いがクレジットカードで決済された場合、フリーランスにお金を支払ったのはクレジットカード会社になるので、クライアントや顧客への領収書の発行は不要です。

もっとも、この場合も「発行できない」わけではありません。

もしクライアントや顧客から領収書の発行を求められた場合は、二重発行に注意しつつ、柔軟に対応するといいでしょう。

疑問8:領収書がもらえなかった場合

たとえば自動販売機での商品購入のように、領収書やレシートが発行されない取引も存在します。

取引先へのお祝いや香典、現金謝礼のように、領収書の交付を求めるのがはばかられるシーンも多いでしょう。

領収書やレシートが発行されない取引が発生した場合は、自分で「出金伝票」を作成してください。

出金伝票とは、現金の支出を記録する帳票です。

文具店などで購入できるほか、ネットでフォーマットを探して印刷したうえで使ってもいいでしょう。

領収書がもらえない場合に限らず、領収書をもらい忘れたときにも使えるので、覚えておいてください。

さいごに

フリーランスにとって領収書は「お金を支出した」「お金を受領した」という証明になる大切な書類です。

経費を支出した証拠として適切に保存するのはもちろん、発行する側としても正確かつ親切に作成しなければなりません。

基本的な書き方は難しくありませんが、取引を続けていると「これってどうするの?」と疑問が生じることもあります。

わからない点はそのままにせず、法的に有効でビジネスマナーに照らして失礼のない扱いを心がけてください。

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