フリーランスの定義とは?個人事業主との違いやフリーランスのなり方、仕事の探し方を解説
近年、フリーランスという働き方を選択する人が増えてきています。
2020年に内閣官房が発表したフリーランス実態調査によると、日本のフリーランスの試算人数は462万人で、2019年に内閣府が発表した341万人より121万人ほど多い結果となりました。
フリーランスの時間や場所にとらわれない働き方に、興味を持っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、「フリーランスってどうすればなれるの?何をすればいいの?」など、フリーランスへの疑問や不安は尽きません。
この記事では、フリーランスの定義からフリーランスに向いている人の特徴、独立前後にやるべきことなど、フリーランスに関する知識をまとめました。
- ITエンジニア案件に15年以上の実績
- 28,000件以上の豊富な案件数
- 登録者数20万人以上
運営会社:レバテック株式会社
- 週1~3日・リモート案件が豊富
- 福利厚生がとにかく充実
運営会社:株式会社Hajimari
- サービスを開始して25年以上
- コーディネーターには元ITエンジニアやIT業界経験者が多い
運営会社:株式会社フォスターネット
この記事でわかること
フリーランスの定義とは?個人事業主や業務委託との違いを解説
フリーランス(Freelance)とは、特定の組織だけに従事せずに、自身が持つ知識やスキルを提供したり商品の販売等で収益を上げて、社会的に独立している個人のことやその働き方のことを指します。
また、請け負った仕事を遂行する人のことを「フリーランサー」とも呼びます。
フリーランスは、特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主である。
フリーランスに法律上の定義はありませんが、以下の条件に当てはまる人をフリーランスと呼ぶことができるでしょう。
- 特定の企業や組織に専従(一つのことに従事すること)していない
- 自身のスキルやノウハウを提供し収入を得て、社会的に独立している
また、フリーランスの活躍を支援しているフリーランス協会によると、広い定義では副業や兼業で収入を得ている人もフリーランスに含まれます。
副業・兼業を含む「広義のフリーランス」の定義を「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」
つまり、クラウドワークスなどを利用して収入を得ている専業主婦なども、フリーランスと呼ぶことができるわけです。
フリーランス協会は、これら二つのタイプのフリーランスを、「独立系フリーランス」と「副業系フリーランス」と呼んでいます。
フリーランスと個人事業主の違い
フリーランスと個人事業主の主な違いは、「働き方の総称」と「税務上の区分」になります。
フリーランスは働き方を表す言葉であり、税務上の区分をあらわすものではありません。
一方で、個人事業主は個人単位で事業を営む人のことであり、税務署に「個人事業の開業届」を提出すると個人事業主として認められます。
フリーランスの中には開業届を出して個人事業主になる人もいれば、そうでない人もいます。
したがって、「フリーランス=個人事業主」ではないということです。
フリーランスと業務委託の違い
業務委託というのは、組織内部の仕事をフリーランスや代行会社など外部に委託する「契約形態」のことです。
フリーランスだからといって必ずしも業務委託契約を結ぶわけではなく、別の契約方法で仕事を進めることも当然あります。
業務委託の契約形態には「委任契約」と「請負契約」の二種類があり、請負契約の方が仕事に対する責任が重いのが特徴です。
以下に、具体的な違いを整理します。
委任契約
「依頼人が定める特定の業務を完了させること」を目的として結ぶ契約形態です。
契約内容を遂行できれば、成果物の質を問われることはなく契約が終了します。
フリーランスに対する業務委託の場合は委任契約がほとんどです。
請負契約
「依頼人が求める仕事を完遂すること」を目的として結ぶ契約形態です。
委任契約よりも仕事に対する責任が重く、成果物が依頼人の求めるレベルに達していなければ報酬を求めることができません。
納品後の瑕疵担保責任(ミスや欠陥などがあったときに責任を負うこと)があるため、依頼人の希望があれば修正対応が必要です。
これに応じない場合、依頼人は損害賠償を要求する権利があります。
企業のシステム開発など責任重大な仕事に関しては請負契約が結ばれることもあります。
フリーランスはどんな職業が多い?フリーランスに多い7つの職業と仕事内容
一口にフリーランスと言っても様々な職業があります。
例えば、YouTuberやUberEatsの配達パートナーも、フリーランスに含まれます。
フリーランス協会が発表した「フリーランス白書2021」によると、フリーランスとして活躍している人が多い職種トップ5は以下になります。
- 1位:クリエイティブ・Web・フォト系(20.0%)
- 2位:通訳翻訳系(12.2%)
- 3位:エンジニア・技術開発系(10.5%)
- 4位:コンサルティング系(9.1%)
- 5位:出版・メディア系(7.6%)
この中でいくつかの仕事内容をご紹介します。
ライター(コピーライター)
クラウドソーシングサービス『ランサーズ』の中で、登録者数が最も多いのがライターです。(「ランサーをさがす>ライター」で出てくる登録者数を他の職種と比較)
ライターの主な仕事内容は、企業や個人のブログに掲載する記事コンテンツの執筆、商品やサービスのコピーライティングの作成です。
報酬形態は、文字単価や記事単価、プロジェクト単位など様々で、トップレベルのライターなら文字単価~10円を獲得している方もいます。
Webデザイナー(コーダー)
Webデザイナーは、主にWebサイトのデザインやバナーデザインの作成、またコーディング(サイトの構築)までをおこなう仕事です。
デザインセンスやAdobe XDやPhotoshop、Illustratorなどの制作ツールを使いこなすスキルと経験が必要となってきます。
Webデザインとコーディングのどちらもできる人もいれば、どちらかだけ専門的にやっている人もいます。
どちらも専門的な知識とスキルは必要ですが、プログラマーほど難度は高くないので、近年目指す人も増えてきています。
イラストレーター
イラストレーターの仕事は、スマホアプリやWebサイトで使うキャラクターや挿絵のイラスト作成をしたり、商品や企業のロゴ制作などをおこないます。
プログラマー(システムエンジニア)
システムエンジニアは、企業が提供しているサービスのシステム開発やスマホアプリなどを制作する専門的な仕事です。
システムエンジニアの年収は他の職業と比べて高めですが、スキルと経験、責任感が求められるためとてもハードになります。
Webマーケター
webマーケターは、Web上で商品やサービスの認知拡大や販売促進をおこなうのが仕事です。
Webマーケティングは、Google/Yahoo検索で上位表示を実現させるSEO対策や、Google検索をした時に最上部に表示されるリスティング広告の運用、SNSを使ったマーケティングなど、様々な手法があります。
これらを総合的、または専門的に深い知識を持って実践できるWebマーケターは、企業から重宝されます。
翻訳家
翻訳家は、依頼人が希望する資料や記事を外国語から日本語、あるいは日本語から外国語へ翻訳する仕事になります。
無資格でも仕事を受けることはできますが、英検1級以上・TOEIC900点以上などをもっていると受けられる仕事の幅が広がります。
コンサルタント
コンサルタントには、経営コンサルタント、事業コンサルタント、人事コンサルタント、SEOコンサルタントなど多種多様なコンサルタントがいます。
企業でコンサルタント職につくとしても、報酬はトップクラスに高くなります。
前職・現職で培った特別な知識やスキル、ノウハウを持っているなら、フリーランスのコンサルタントとして活躍できるチャンスがあるでしょう。
フリーランスが向いている人とは?フリーランスに向いている人の6つの特徴
独立をしても、全ての人が成功するとは限りません。
少なからず、「フリーランスに向いていない人」も存在します。
自分がフリーランスに向いているかどうかを見極めるためにも、フリーランスに向いている人の特徴を知っておきましょう。
1.体調・お金・スケジュール管理が得意な人
フリーランスとして生きていく上で最も大切な要素が「自己管理」です。
フリーランスには「自由」という大きなメリットがありますが、言い換えれば「全て自己責任」でもあります。
組織に属さないので誰も体調やお金、スケジュールの管理を行ってくれません。
全てを自分自身で行うのです。
体調面で注意すべきは「働きすぎによる心身の不調」です。
会社員なら人事部門が残業時間をコントロールしてくれて働きすぎを防いでくれます。
また、健康診断は年に一度、会社が実施してくれるので病気などを早期段階で発見できます。
しかしフリーランスは、これも全て自分でコントロール・実施しなければいけません。
金銭面では確定申告が最大の難所になります。
会社に勤めれば住民税等が給与から差し引かれるので、毎年の確定申告に気を揉むことはありません。
フリーランスは一年を通じて領収書などを管理しながら、毎年2月に始まる確定申告に備えた上で、確定申告書を記入して管轄の税務署に届け出る必要があるのです。
スケジュールに関しても完全自己管理なので、現時点で請け負っている仕事を考慮しながら新しい仕事を獲得しなければいけません。
無理なスケジュールによって容量過多になり、クライアントに迷惑をかけるだけでなく自分の評判を落とすことにもなります。
決まった休日もないのでプライベートとの切り分けが難しいのもフリーランスの特徴です。
こうした自己管理をこなせることは、フリーランスとして欠かせない特徴なのです。
2.人と会って話すのが苦ではない人
フリーランスで成功する人というのは、得てして「他者とのコミュニケーションが好きな人」です。
もちろん例外もありますが、やはり仕事を獲得したりクライアントと交渉するにあたり、コミュニケーション好きでないと辛いことが多くなります。
最近では新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、対面でのコミュニケーションだけでなくZoomなどのWeb会議システムを使った遠隔でのコミュニケーションに対するスキルも求められてるようになっています。
クライアントと円滑にコミュニケーションが取れてこそ成功するのがフリーランスという働き方です。
3.最後までやり切れる人
会社なら、抱えている仕事で容量過多になっても上司や同僚が助けてくれますが、フリーランスはそうもいきません。
どんな状況に置かれても自分一人で仕事をやり抜くための気力と意志が必要になります。
ピンチに陥らないために自己管理が大切なのですが、自己管理が完璧な人でも時として仕事を抱え過ぎて自分の容量を超えてしまうこともあります。
しかしそんな時でも、最後まで仕事をやり切る力がある人こそフリーランスに向いています。
要するに、責任感がなければフリーランスとして生きていくことは難しい、ということです。
4.新しいことに積極的な人
フリーランスとして成功するのに大切なことが、「新しいことに積極的にチャレンジする」です。
会社なら何か新しいことを始めるのに上司や役員の許可が必要ですが、フリーランスは違いますし、その利点を活かせるかどうかが鍵になります。
例えばWebライターとしてキャリアをスタートしたフリーランスが、ずっとWebライターでなければいけない理由はありません。
執筆した記事が検索上位に表示されることが多くなったら、そのノウハウを生かしてWebマーケターやSEOコンサルタントになっても良し。
プログラミングを学習してエンジニアとしてデビューし、Webサイトを制作しながらコンテンツも作れる人材になるのも良し。
フリーランスは様々なキャリアを積むほどに仕事の幅が広がるので、やはり新しいことにどんどんチャレンジできる人が向いています。
5.臨機応変に対応できる人
フリーランスとして色々と仕事をしてると、クライアントからイレギュラーな対応を求められることが多々あります。
例えばブログ記事執筆を専門としているWebライターが、「アプリストア内で検索順位を上げるためのライティングをお願いします」と普段とは違った仕事内容で依頼されることもあります。
そうした時に、「私はブログ記事執筆が専門なので」と断ると自分の可能性を狭めることになり、フリーランスとして成功するのが難しくなります。
また、仕事進行中にクライアントから「もっとこうできませんか?」と対応を求められることも多いので、どんな要望に対しても対応できる臨機応変さが必要です。
もちろん、いかなる対応も無償で請け負うのではなく、作業量などを考慮した価格交渉を行える勇気も大切です。
6.息抜きが上手な人
スケジュールの組み方によっては延々と仕事をできるのがフリーランスです。
従って、適度に息抜きできる人でなければいずれ限界が訪れます。
会社勤めでうつ病になりフリーランスとして独立したという人は多いですが、フリーランスになってうつ病を発症したという人も多からず存在します。
以下が主な理由です。
- 適度な息抜きがなく働き過ぎた
- 他人との交流が極端に少なくなった
- いつも切迫した状況で仕事をしている
適度な息抜きをして、家族や友人との交流を大切にしながら余裕を持って仕事に取り組むことはフリーランスの精神状態を安定させる上でとても重要です。
「誰かが管理してくれないと、つい働き過ぎてしまう」という人はフリーランスとして独立しても、苦しい思いをする可能性があります。
以上6つの特徴は、最初から備わっている必要はありません。
「フリーランスとして独立したい」という強い気持ちがあるのなら、後天的に身につけることも可能です。
また、自己管理が苦手な人はオンライン秘書を依頼したり、つい働き過ぎてしまう人は労務管理をアウトソーシングしたりと、苦手な部分をカバーする方法もあります。
フリーランスになる前に知っておくべきこと・やっておくべきこと
いきなりフリーランスの世界に飛び込む人もいますが、往々にして苦労することになります。
フリーランスになる前に知っておくべきことを知り、やっておくべきことを完了させてから辞職したり、フリーランスとしてのキャリアをスタートさせたりしましょう。
フリーランスを始めるのに必要なお金について
大半のフリーランスは独立から数ヶ月は十分な収益が得られません。
従って独立する前にある程度の資金が必要になります。
明確にいくらというのはありませんが、一つの基準として設備資金と、運転資金6ヶ月分は用意しておきましょう。
設備資金はオフィス等をレンタルする際の敷金や礼金、名刺やパンフレットの製作費などフリーランスとして独立するにあたり必要になるお金のことです。
運転資金とは、オフィス家賃や人件費(自分を含め)、光熱費や通信費、税理士への依頼などにかかるお金のことです。
オフィスを持たず人を雇わない場合、運転資金はほとんどが生活費と考えるのが妥当です。
この運転資金を6ヶ月分と、設備資金を合わせて用意するとフリーランスとして安心して独立できます。
設備資金と運転資金6ヶ月分を貯金するのはなかなかの苦労なので、日本政策金融公庫などの新創業融資制度を利用することもできます。
クレジットカードやローンなどについて
あなたがもしも会社の正社員なら、クレジットカードの発行やローンの申請は退職前に行うべきです。
残念ながらフリーランスは会社員ほどの社会的信用が無いため、クレジットカードやローンの申請に通りにくく、独立後に申請しても通らない可能性が高いからです。
住宅ローンに至ってはフリーランスが申請する際、三期分の納税証明書(三年分の確定申告)が必要になるので独立後すぐに住宅ローンを借りるのはほぼ不可能です。
クレジットカードやローンを申請する必要性がある場合は、必ず退職前に行ってください。
仕事用の銀行口座を開設する
会社員時代に使用していた銀行口座はあくまで給与を受け取るためのものなので、フリーランスとして独自の銀行口座を開設しておきましょう。
口座開設自体は無償なので、最寄りの銀行またはネット銀行で開設するのが一般的です。
仕事受注においてクラウドソーシングを主として利用する場合は、ネット銀行がおすすめです。
例えばランサーズやクラウドワークスを利用する場合なら、振り込み手数料は楽天銀行が100円、その他の銀行なら500円なので楽天銀行口座を持っておく方がお得です。
クラウドソーシングを利用しない、あるいはクラウドソーシング以外でも仕事を受注することが多い場合は楽天銀行以外の口座を所持しておくと良いでしょう。
仕事用のメールアドレスを作る
仕事用のメールアドレスはGmailなどのフリーメールでも問題ありません。
ただし、仕事用とプラベート用は分けるのが無難です。
人によっては独自ドメインを取得してメールアドレスとして設定する場合もあります。
クラウドソーシングを利用せず、個人事業主として仕事を受注する人などは独自ドメインのメールアドレスを所持している方がクライアントから信頼性が向上する可能性があります。
名刺を作っておく
フリーランスとして独立すると、名刺は会社員時代よりも貴重な営業ツールになります。
色々な仕事をこなす中や、フリーランスコミュニティなどで多種多様な人と出会うことになります。
行動範囲も広がり、常に名刺を所持しておくとビジネスの種を撒くことができるので必須ツールです。
名刺の印刷料金は安ければ一枚あたり10円で印刷可能です。
デザイン料に関してはネット上で公開されているテンプレートを活用すれば無料になります。
独自にデザインするのも良いですし、デザイナーに依頼するのも良いでしょう。
その際はロゴ制作とデザイン料を合わせて20,000円~と考えるのが妥当です。
請求書、見積書、納品書などの書類を用意する
クラウドソーシングを主として利用する場合は不要ですが、クライアントと直接取引する場合は請求書や見積書、納品書などの書類フォーマットを用意しておきましょう。
フォーマットサイトから無料でダウンロードするのも良いですし、独自に作成しても良いです。
フリーランスとしてロゴなどがある場合は、それを反映した書類フォーマットを用意する方がブランディング効果が高まります。
ポートフォリオやプロフィールなどを準備しておく
ポートフォリオとはいわゆる「実績の一覧」のことです。
フリーランスとして働くには、クライアントに過去の実績をアピールする必要があります。
会社員時代の仕事でアピールできるものがあればポートフォリオとして紹介できるように整理しておきましょう。
また、現時点で提示できる実績がないという場合は、新たに作ることも可能です。
例えばWebデザイナーなら独自に製作したWebデザイン、プログラマーなら独自に製作したソフトウェアなどをポートフォリオとして紹介できます。
Webライターなら10個程度のテーマが異なる記事を用意してみましょう。
営業用のWebサイト等に掲載するプロフィールに関しても、情報が充実したものを用意してください。
仕事をするのに必要な環境を整えておく
どの職業で独立するかにもよりますが、共通して必要な環境は以下のようなものです。
- 作業用のパソコン(デスクトップorノート)
- 連絡用のスマートフォン(プライベートと併用OK)
- 自宅、またはオフィスでのインターネット通信環境
- 仕事をするためのデスクや椅子
- ZoomやChatworkなど各種連絡ツールのアカウント
- クラウドソーシングのアカウント
この他、WebデザイナーならPhotoshopやIllustratorなどの専用ツール、プログラマーなら開発環境、イラストレーターならイラスト専用タブレットなど職業ごとに異なる環境を整える必要があります。
フリーランスが支払う税金について
会社員時代には特に意識することのなかった税金ですが、フリーランスになると税金の支払いも自分で行わなければいけません。
フリーランスが払わなければならない税金について説明します。
所得税
所得に対してかけられる税金です。
フリーランスとしての収入から経費を差し引き、さらに給与所得控除額を差し引いて求められた給与所得に所得税率をかけて計算します。
住民税
居住している市区町村に対して支払う税金と、都道府県に対して支払う税金の二種類があります。
所得税の確定申告をしている場合は申告不要です。
税金額や市区町村・都道府県によって異なります。
個人事業税
事業所得(フリーランスの場合は収入)が年間290万円を超える場合にかかる税金のこと。
所得税の確定申告をしている場合は申告不要です。
政府が定める70の業種のみに課税され、執筆業に該当するWebライター、情報通信業に該当するプログラマーには課税されません。
課税される業種は東京都主税局の個人事業税ページや、各都道府県のページから確認できます。
消費税
全てのフリーランスに消費税納税の義務があるわけではなく、売上1,000万円以上の場合のみ確定申告において消費税を計算し、申告する必要があります。
フリーランスになったらやるべき各種手続き
次に、フリーランスとして独立した後にやるべき手続きついて紹介します。
独立前からやるべきことはたくさんありますが、ここまで来たらもう一息です。
国民健康保険を切り替える
医療機関で提示する健康保険証は、会社員時代なら社会保険に含まれる制度の人でした。
独立後はこれを「国民健康保険」に切り替えるための手続きが必要です。
また、その際に3つの選択肢があります。
- 退職前の会社の健康保険を任意で継続する(ただし、最長2年)
- 業種別の国民健康保険組合に加入する
- 市区町村の国民健康保険に加入する
会社の健康保険を任意継続する方が保険料が安いケースが多いので、2年間は任意継続するのが得策です。
任意継続する場合は退職後20日以内の申請が必要になります。
期間終了後は国民健康保険組合や、市区町村の国民健康保険に加入しなければいけません。
国民健康保険組合は全ての業種で加入できるわけではないので、自身が該当する業種の組合があるかどうかを確認しておきましょう。
所得金額などによっては組合の健康保険へ加入する方が安く済む場合があります。
国民年金を切り替える
会社を退職すると厚生年金の加入資格を失うので、国民年金への切り替えが必要です。
退職後の申請期日はありませんが、できる限り速やかに手続きを行いましょう。
その際は個人番号カードまたは本人確認書類(運転免許証など)、年金手帳、離職年月日が確認できる書類が必要になります。
開業届を提出する
開業届の役割は「フリーランスとして開業しました」と税務署へ通知することと、個人事業主としての独立を証明することです。
事業資金融資を受ける際は個人事業主としての証明が必要なので、フリーランスにとって開業届は重要です。
また、開業届を提出することで銀行口座を屋号で作ることができます。
開業届の提出期日は設けられていませんが、これもできる限り速やかに提出するのが良いでしょう。
青色申告承認申請書を提出する
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の二種類があります。
前者の方が控除額が大きいため、節税メリットがあります。
開業した初年度は開業日から2ヶ月以内に確定申告を行う必要があるので、開業届と一緒に提出するのが効率的です。
フリーランスが新規の仕事を獲得する3つの方法
フリーランスが仕事を獲得するための主な方法は3つあります。
各方法の特徴を見ていきましょう。
クラウドソーシングサービスを利用する
クラウドソーシングとは、仕事を受注したい人(フリーランス)と仕事を依頼したい人(クライアント)をマッチングするプラットフォームです。
主に、クライアントが仕事依頼の募集をかけ、フリーランスがそれに対して提案をします。
提案が選ばれたフリーランスとクライアントとの間で仕事に関する調整が完了したら、契約を締結して仕事を開始します。
有名なサービスはランサーズやクラウドワークスです。
多種多様な仕事を依頼されており、自分に合った仕事内容を選べるのがメリットです。
ただし、競争率も高いので確実に仕事を受注できるとは限りません。
プロフィールを充実させたり、提案内容を試行錯誤したり様々なテクニックも必要とします。
フリーランスエージェントを利用する
フリーランスに対して仕事を斡旋してくれるエージェントに登録する方法もあります。
担当者がフリーランスごとにマッチした仕事を提案してくれますし、中には高額案件も多数存在します。
エージェント経由で仕事依頼するクライアントは、フリーランスに対して高い知識・スキルを求める傾向にあるので、フリーランスとして一定の実績がある人や、元々専門的な知識・スキルを持った人向けです。
知人やクライアントに紹介してもらう
知人や取引経験のあるクライアントから新たに仕事を受注するのもおすすめです。
信用のある相手からの紹介なら、そのクライアントも比較的信用できるため安心して仕事を進めることができます。
ただし、いわゆる「紹介価格」で仕事を受けなければならないケースも多いため、事前の報酬交渉が大切です。
フリーランスを長く続けていくために身に付けておくべき基本スキル
せっかくフリーランスになったのですから、長く続け、自由な働き方を模索し続けたいものです。
そこで必要になるスキルとは、どういったものかを紹介します。
営業力、交渉力
仕事がなければフリーランスを継続するのは困難です。
継続的に仕事を受注するには営業力が欠かせません。
また、フリーランスとしてステップアップしていくには報酬に対する交渉力も不可欠でしょう。
プレゼンテーション力(提案力)
今やフリーランスは星の数ほど存在します。
競合に負けないためにも、プレゼンテーション力を発揮して独自性をアピールすることが大切です。
ただし信用第一の仕事なので、自分にできること・できないことを明確にしておきましょう。
コミュニケーション力
新規クライアントから仕事を獲得するよりも、既存のクライアントから継続的に仕事を獲得する方がずっと楽ですし、段階的に報酬を上げることも可能です。
そのためにはクライアントとの信頼関係を築くためのコミュニケーション力が欠かせません。
自己管理能力
体調を崩せば仕事ができませんし、お金を使い過ぎれば資金繰りが難しくなります。
フリーランスはあらゆる面での自己管理能力が求められる働き方であり、中長期的な計画を立てる能力も必要です。
情報収集力
世界のビジネス情勢は刻一刻と変化し、フリーランスとしては変化を敏感に察知して、順応するための情報収集力が大切です。
会社員時代なら経営者がその役割を担っていましたが、フリーランスはビジネスにおける情報収集も自分自身でカバーしなければいけません。
フリーランスについてよくある質問
フリーランスについてよくある疑問や質問にお答えします。
Q1.フリーランスは起業家に該当しますか?
そもそも起業家とは、「起業家とは自ら事業を興す者」(引用元:wikipedia)を指し、フリーランスは「組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」(引用元:フリーランス協会)ですので、2つの違いは事業を起こすか否かになります。
フリーランスと起業家は、厳密にいえば異なりますが、大枠では同じカテゴリーと言ってもいいでしょう。
Q2.フリーランス1年目ですが、ベテランの人と差別化するにはどうしたらよいですか?
フリーランスになって1年目は、実績が乏しく社会的信頼度も低いので、実績の多いベテラン勢に仕事を取られてしまい、なかなか仕事が安定しません。
そのため、まずは安くてもとにかく案件を獲得して、実績作りをすることが大事です。
安くてもしっかりとクオリティの高い仕事をすれば、仕事に対しての信頼度が上がっていきますので、単価を引き上げていくことも可能となります。
Q3.1日中家にこもって仕事しているので孤独感がすごいです。息抜き方法を教えてください。
私の場合は、1日中家で仕事しているのは苦ではないタイプなのですが、次のようなことをしています。
- たまには外食をする
- ラジオ体操をする
- 散歩をする
- 習い事(英会話教室)をする
- セミナーに参加する
フリーランスになりたいという方は、そもそも家にこもって仕事をするのが苦ではないという人が多いです。
しかし、ずっと家に籠りっぱなしで仕事ばっかりしていると、コミュニケーション不足で人間性がおかしくなってしまうので、意識的に外に出て、誰かと会話をするようにするとよいでしょう。
Q4.自宅での仕事中に購入したお菓子や飲み物は経費に入れても大丈夫ですか?
フリーランスになったばかりだと、どこまで経費として考えて良いのか迷うことが多々あります。
原則として、経費は「売上を上げるために使った費用」と考えてください。
仕事のために買った、文房具類やパソコン関連機器などは経費に含まれますが、何でもかんでも経費にできるわけではありません。
例えば、お客さんと打ち合わせするときに買った飲食品なら経費になりますが、私的な飲食品だったら止めておいたほうがよいでしょう。
- ITエンジニア案件に15年以上の実績
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