フリーランス・自営業は国民健康保険への加入が必要?健康保険料を安く抑える3つの方法

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更新日:/公開日:2023年01月28日

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フリーランス・自営業は国民健康保険への加入が必要?

溝口弘貴
この記事の企画・編集者
溝口弘貴
つなぐマーケティング代表

※このページには【PR】が含まれています。

会社員からフリーランスへと転身したとき、かならず直面するのが「保険」の問題です。

とくに会社員なら自動的に与えられていた保険証をフリーランスが得るには、みずから手続きを進めて健康保険に加入しなければなりません。

起業を目指して準備を進めている間は開業届などの対応で忘れがちですが、安心してフリーランスとして働き続けるためには保険についても万全の準備が必要です。

本記事では、フリーランスと健康保険の関係や加入できる健康保険の種類、健康保険料を安く抑えるポイントなどを解説していきます。

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この記事の監修者

溝口弘貴

溝口弘貴

フリーランスガイド責任者

電気工事士からWeb業界に転職して10数年。現在はフリーランスとしてクライアントサイトのマーケティング支援や自社メディアの運用などをおこなっています。ネットマーケティング検定やIMA検定などIT関連の資格を8つもっています。運営者情報はこちら

フリーランスが選択できる4つの健康保険の種類

日本では、すべての国民が医療を受けられるために、健康保険への加入を義務付けられています。

会社員として働いている人だと会社の健康保険組合や全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽの「社会保険」に加入するので、学校を卒業してそのままストレートに就職し転職経験もない人だと、とくに気にしたことがないかもしれません。

フリーランスなどの個人事業主や無職・年金受給者の人でも、健康保険への加入は必須です。

この場合は、社会保険ではなく「国民健康保険」などに加入することになります。

フリーランスが選択できる健康保険の種類を確認していきましょう。

1.国民健康保険(国保)に加入する

会社の社会保険などに加入していない人は、原則として「国民健康保険」、いわゆる「国保」に加入しなくてはなりません。

ほかの健康保険や医療費補助の制度を利用していない人は加入を義務付けられる強制保険です。

フリーランスに転向するために勤めていた会社を辞めて保険証を返却すると、会社の健康保険資格喪失証明書をもって役所にある国保年金の窓口を訪ね、加入手続きを進めます。

国保への加入手続きをせず、ほかの健康保険にも加入しなかった場合でも、日付をさかのぼって会社を辞めた次の日から国保に加入していたことになるため、基本的に健康保険がまったくない状態にはなりません。

なお、国保への加入は対象となった日から14日以内です。

加入手続きをしないと保険証が交付されず、医療機関を受診すると全額負担になるので、早めに加入手続きを済ませましょう。

2.団体の国民健康保険組合に加入する

フリーランスとして活動しながら特定の団体が設立している「国民健康保険組合」に加入することも可能です。

文化・文芸・芸能・飲食業・理美容業・建設業といった業界ごとに組織されている組合に加盟している団体の会員になっていれば、組合員として健康保険に加入できます。

フリーランスでも加入できる国民健康保険組合として有名なのが、文芸美術国民健康保険組合です。

デザイナーやライターなどのクリエイティブ職に就いているフリーランスで、組合に加盟している団体の会員であり、2年以上の活動実績と会員歴があれば健康保険に加入できます。

ほかにもさまざまな分野・業界の組合が存在しているので、国民健康保険に加入する前に下調べをしておきましょう。

3.期間限定なら会社の社会保険を任意継続できる

会社を辞めてフリーランスに転向する場合は、会社の社会保険を「任意継続」することで国民健康保険には加入しないという選択も可能です。

通常、会社を辞めるとその翌日から被保険者としての資格を失いますが、一定の条件を満たしている場合は引き続き被保険者として健康保険を継続できます。

ただし、社会保険の任意継続は期間限定です。

任意継続が許されるのは最大で2年間だけなので、2年が経過するまでに国民健康保険や国民健康保険組合への加入に切り替えなければなりません。

なお、以前は任意継続を選択すると、再就職による社会保険への加入、保険料の未納、期限の到来といった理由がない限り脱退できませんでしたが、2022年1月からは任意脱退が可能になりました。

フリーランスの社会保険について詳しくみる

4.家族の健康保険の被扶養者にしてもらう

家族のなかに社会保険や健康保険組合に加入している人がいる場合は、その人の被扶養者として健康保険に加入するという手段もあります。

被扶養者なので月収108,000円以下・年収130万円以下で被保険者の年収の2分の1未満という条件がありますが、保険料を大幅に節約できるでしょう。

とくにフリーランスとして駆け出しのタイミングであれば、収入額が安定していないかもしれないので検討する価値は十分です。

ただし、傷病手当金などの対象にはならないので、別の方法で万が一の備えを整えておく必要があります。

国民健康保険への切り替えで生じるデメリット

実際にフリーランスとして独立・起業し国民健康保険へと切り替えると、会社の社会保険がいかに手厚いものだったのかを思い知らされることになるでしょう。

ここでは、国民健康保険への切り替えで生じるデメリットを紹介します。

保険料が高くなる

国民健康保険へと切り替えると、会社の社会保険に加入していたときと比べて保険料が高くなります。

会社の社会保険は保険料の半額を会社が負担してくれているので、被保険者の負担は2分の1です。

国民健康保険の保険料は全額が自己負担なので「会社員のころの倍になった」と感じることになります。

また、会社の社会保険では扶養家族がいても保険料は加入者1名分だけですが、国民健康保険には扶養の概念がなく、家族分の保険料も発生するので、負担が増えるのは仕方がありません。

傷病手当金が受けられなくなる

会社の社会保険に加入している場合は、業務外の病気やケガで療養する、療養のために仕事ができないといった場合に傷病手当金が支給されますが、国民健康保険には傷病手当金の制度がありません。

一部、給与所得を受けている国保加入者について、感染症に罹患した場合に限って傷病手当金を支給するといった特例措置もありますが、雇用関係のないフリーランスは対象外です。

労災保険も受けられない

傷病手当金は業務外の病気やケガが発生した場合に支給されるものですが、業務中のケガや仕事を理由とした病気は労働災害となり、労災保険によって補償されます。

フリーランスの場合は、原則として労災保険も対象外です。

ただし、建設・建築業の一人親方やITフリーランスについては、特別加入団体として厚生労働省の承認を受けた団体を通じることで労災保険に加入できます。

フリーランスが健康保険料を安く抑える3つの方法

フリーランスに転向した場合は、原則として保険料が高い国民健康保険に加入することになります。

会社員だったころと比べると負担が増えるので、保険料を安く抑えるための対策も重要です。

保険料が一律の健康保険組合に加入する

国民健康保険の保険料は税金であり、収入額に応じて上下します。

収入が少ないうちは負担が軽くても、事業が軌道に乗って収入が増えるとそれに比例して負担も重くなるのが基本です。

収入が増えてきたなら、健康保険組合への加入を検討しましょう。

健康保険組合に加入すれば、保険料は収入額に関係なく一律です。

たとえば、先に紹介した文芸美術国民健康保険組合の場合、保険料は本人が月額19,600円、家族がひとりあたり月額10,300円で、40~64歳の介護保険被保険者ひとりあたり月額4,000円となっています。

収入額によって効果は異なりますが、月々の負担は大幅に軽くなるでしょう。

自治体の減免制度を積極的に活用する

まだフリーランスとして起業したばかりで収入が安定しないうちは、国民健康保険の保険料の負担が重く感じるはずです。

所得額が一定基準に満たない場合は自治体に申請することで減額や免除、納付の猶予といった措置を利用できる可能性があるので、情報を集めて積極的に活用しましょう。

保険料が安い自治体へ引っ越す

保険料の金額は自治体によって異なります。

月々の差はあまり大きくないように見えるかもしれませんが、年間で換算すれば決して無視できない金額になるかもしれません。

とくにIT系やライターといった形態のフリーランスは働きかたの自由度が高いので、起業を機に節約を兼ねて生活環境を心機一転するのもよいでしょう。

安心してフリーランスとして働くために覚えておきたいこと

フリーランスは働きかたの自由度が高い反面、社会的な保障が弱い立場です。

会社員だったころと同じような感覚で働いていると負担が重くなるばかりで、トラブルが起きてしまえば打撃も大きくなります。

安心してフリーランスとして働くために覚えておきたい大切なことをお伝えしましょう。

保険料の割引を活用して、万が一のトラブルに備えること

会社の社会保険に加入していたときは業務外の病気やケガに対して傷病手当金が支給されていたはずですが、フリーランスに転向して国民健康保険に加入すると傷病手当金の対象外になってしまいます。

病気・ケガによる医療費や働けなかった期間の生活費といった負担をカバーするには、保険会社の医療保険や所得補償保険といった保険への加入が必須です。

ただし、これらの保険に加入する場合は、保険料の支払いが発生します。

これまで会社の共済保険に加入していたり、団体割引を受けていたりした方にとっては、プロパー契約の保険料の高さに驚くはずですが、万が一への備えとして「やむを得ない」と渋々ながら納得することになるでしょう。

保険料を安く抑えるコツは、フリーランスでも利用できる割引を上手く活用することです。

たとえば、国内最大級のフリーランスネットワークとして設立されている「フリーランス協会」に入会して有料のベネフィットプランを選択すれば、賠償責任保険や弁護士費用保険が自動付帯され、さらに病気やケガによる減収をカバーする所得補償保険も割安で加入できます。

年会費10,000円を支払っても保険料の割引を考慮すれば十分お得なので、フリーランス協会を含めてほかの団体・組合でも保険料の割引を受けられないかリサーチしてみましょう。

フリーランス協会の詳細をみる

保険料の多くは控除が可能

フリーランスが手元にお金を残すためには「節税対策」が欠かせません。

国民健康保険などの保険料は社会保険料控除として、保険会社に支払う生命保険・医療保険などの保険料は生命保険料控除として、それぞれ確定申告の所得控除の対象です。

収入額が増えた、万が一の備えを手厚くしたといった状況では月々の負担が大きくなりますが、確定申告の際に漏れなく申告することで翌年の税額を抑えられます。

所得税・住民税だけでなく国民健康保険の保険料も安くなる可能性があるので、控除可能な支出はすべて計上するようにしっかりと準備を進めておきましょう。

さいごに

フリーランスになると、あらゆる手続きを自分自身でおこなわなくてはなりません。

健康保険の手続きや保険料の納付もそのひとつです。

会社員からフリーランスに転向すると、原則として国民健康保険に加入することになります。

全額が自己負担になるだけでなく、家族分の負担も発生するので、できるだけ保険料が安く抑えるための対策は必須です。

収入が増えてきたら保険料が一律の国民健康保険組合に切り替えるといった対策も有効ですが、節税への心がけも欠かしてはいけません。

健康保険の保険料は全額が控除の対象なので、しっかり計上して翌年の負担軽減につなげましょう。

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